2009年プロジェクト

【スリランカ北部人道支援物資配布事業】

約30年渡って続いたスリランカ北部での紛争が終わり、3カ月が経過した2009年8月以降、国内避難民キャンプ支援などさまざまな支援プログラムが終了の時期を迎えていました。しかし、現地での食糧や医療などの支援ニーズが満たされていないままです。特に、国連が配布する米、食用油等の基礎食糧以外のComplementary Food (補完食料)を避難民たちは手にすることができず、人々は3ヶ月以上もスパイスや野菜等のない栄養に偏りのある食事をしていました。

このためJADEでは、予定していた生活必要品の配布事業を変更し、ココナッツ、スパイス、干し魚、マメ、野菜等の補完食料の配布を行いました。国内避難民の12,760世帯、約4万人にスパイスや野菜(ニンニク、ジャガイモ、タマネギ)等からなる補完食料パッケージを配給することができました。

スリランカ紛争後の食料配布支援 スリランカ紛争後の食料配布支援 スリランカ紛争後の食料配布支援
山積みにされ、小分けされる配布用のニンニク。ニンニクはスリランカのカレーには欠かせない。 順番に食料を受け取る女性の国内避難民。 男の子の孫と一緒に食料を取りにきた国内避難民の老婆。
スリランカ紛争後の食料配布支援  スリランカ紛争後の食料配布支援  
配布される食料の前に集まった多くの国内避難民。 配布用の食料を小分けにしていく女性スタッフ。公平になるよう一つ一つ計量しながら袋に詰めていく。  


プロジェクト担当者メモ

現地の人々の食生活、食習慣に合致した食料支援の重要性をあらためて実感しました。特に、スリランカ人にとってココナッツや唐辛子は、日本食のしょう油や出汁のようなもので食事には欠かせません。大きなココナッツの運搬には何度もトラックで往復する必要がありかなりの手間がかかりましたが、ずいぶんと長い間配給を受けていない現地の人々に大変喜ばれました。 (田中)



期間/2009年6月〜11月
地域/スリランカ北部ワウニア県 Menic Farm IDPキャンプ
予算/約1780万円
連携団体/セワランカ基金